
「インフラエンジニアって結局何をする人なの?」
インフラエンジニアをしていると、
よく聞かれる質問です。
実際実像が見えづらく、同じIT業界にいる他のエンジニアからも聞かれることがたまにあります。
でも、実はとても身近で重要な仕事をしているんです。
結論から言うと、インフラエンジニアは今見ているこのWebサイトや、毎日使っているアプリが止まらずに動き続けるよう、裏側でシステムを支えている技術者です。
サーバーの構築から、ネットワークの設計、データベースの管理まで、ITの「縁の下の力持ち」として活躍しています。
この記事では、インフラエンジニアの具体的な仕事内容から、必要なスキル、未経験からの始め方まで、分かりやすくお伝えします。
IT業界に興味がある方は、ぜひ参考にしてくださいね。
インフラエンジニアとは何をする仕事なのか

ITインフラの基盤を支える重要な役割
インフラエンジニアは、ITシステムの「インフラストラクチャー(基盤)」を専門に扱う技術者です。
道路や電気といった社会インフラと同じように、ITの世界にも基盤となるシステムが必要で、それを担当するのがインフラエンジニアなのです。
私たちが毎日使っているスマートフォンのアプリや、ネットショッピングサイト、SNSなどが快適に動くのは、裏側でインフラエンジニアが構築したシステムがしっかりと働いているからなんです。
システム全体の安定性を保つ責任者
インフラエンジニアは、システムが24時間365日安定して動き続けるよう管理する責任を担っています。
もしサーバーが止まってしまったら、多くの人がサービスを利用できなくなってしまいますよね。そうならないよう、常にシステムの状態を監視し、問題が起きる前に対策を講じるのがインフラエンジニアの大切な仕事です。
また、システムの利用者が増えた時に対応できるよう、拡張性も考慮してインフラを設計します。
将来を見据えた計画的な設計ができることも、インフラエンジニアに求められる重要なスキルの一つです。
インフラエンジニアの具体的な仕事内容

サーバー構築と管理業務
インフラエンジニアの代表的な仕事の一つが、サーバーの構築と管理です。
サーバーとは、Webサイトやアプリケーションを動かすためのコンピュータのこと。
このサーバーを設置し、必要なソフトウェアをインストールして、正常に動作するよう設定するのがサーバー構築の仕事です。
構築後は、サーバーが正常に動作しているかを定期的にチェックし、必要に応じてメンテナンスを行います。
サーバーの容量が不足しそうになったら増設したり、古くなったハードウェアを交換したりするのも重要な業務の一つです。
最近では、物理的なサーバーではなく、クラウドサービス上にサーバーを構築することも増えています。
AWSやAzure、Google Cloudといったクラウドサービスを使って、より柔軟で効率的なサーバー環境を構築するスキルも求められています。
ネットワーク設計と構築
ネットワークの設計と構築も、インフラエンジニアの重要な仕事です。
複数のサーバーやコンピュータが円滑に通信できるよう、ネットワークの構成を考えて実装します。
具体的には、ルーターやスイッチといったネットワーク機器の設定、IPアドレスの割り当て、セキュリティを考慮したファイアウォールの設定などを行います。
大規模なシステムでは、複雑なネットワーク構成になることもあるため、論理的思考力と設計スキルが重要になります。
また、ネットワークの通信速度や安定性を監視し、問題が発生した際には迅速に原因を特定して解決することも大切な役割です。
データベース管理と運用
データベースの管理と運用も、インフラエンジニアが担当する重要な業務です。
企業の大切なデータを安全に保管し、必要な時にすぐに取り出せるよう管理します。
データベースサーバーの構築から始まり、データのバックアップ設定、パフォーマンスの最適化、セキュリティ対策の実装などを行います。
特にデータのバックアップは、システム障害が発生した際にデータを復旧するための重要な作業です。
また、データベースの容量が増えた時の拡張計画を立てたり、アクセス権限を適切に管理してセキュリティを保ったりするのも、データベース管理の大切な仕事です。
システム監視とトラブル対応
システムが正常に動作しているかを24時間体制で監視するのも、インフラエンジニアの重要な仕事です。
監視ツールを使って、サーバーの稼働状況、ネットワークの通信状況、データベースのパフォーマンスなどを常にチェックします。
もし異常が発生した場合は、すぐに原因を調査し、適切な対応を取る必要があります。
夜間や休日でも緊急対応が必要になることがあるため、責任感と迅速な判断力が求められます。
トラブルが発生した際は、影響を最小限に抑えるための応急処置を行い、根本的な原因を特定して再発防止策を講じます。
このような経験を積むことで、より高いスキルを身につけることができるのです。
インフラエンジニアに必要なスキルと知識

技術的なスキル要件
インフラエンジニアには、幅広い技術的なスキルが求められます。
まず基本となるのは、LinuxやWindowsといったオペレーティングシステムの知識です。
特にLinuxは多くのサーバーで使用されているため、コマンドライン操作に慣れておくことが重要です。
ネットワークに関する知識も必須です。
TCP/IPプロトコル、DNS、DHCP、ファイアウォールなどの仕組みを理解し、実際に設定できるスキルが必要になります。
データベースについては、MySQL、PostgreSQL、Oracle Databaseなどの主要なデータベース管理システムの操作方法を覚える必要があります。
最近では、仮想化技術やクラウドサービスの知識も重要になっています。
VMware、Docker、Kubernetesといった技術や、AWS、Azure、Google Cloudなどのクラウドプラットフォームの使い方を学んでおくと、就職や転職の際に有利になります。
コミュニケーション能力の重要性
技術スキルだけでなく、コミュニケーション能力もインフラエンジニアには欠かせません。
システム開発では、アプリケーション開発者、プロジェクトマネージャー、営業担当者など、様々な立場の人と連携して仕事を進める必要があります。
技術的な内容を分かりやすく説明する能力や、相手の要求を正確に理解する能力が重要です。
特に、トラブルが発生した際は、関係者に状況を迅速かつ正確に報告し、協力して解決策を見つけることが求められます。
また、チームワークを大切にする姿勢も重要です。
インフラエンジニアの仕事は一人で完結することは少なく、チームメンバーと協力して大きなプロジェクトを成功させることが多いからです。
問題解決能力と論理的思考力
インフラエンジニアには、複雑な問題を論理的に分析し、適切な解決策を見つける能力が求められます。
システムトラブルが発生した際は、限られた情報から原因を推測し、効率的に問題を解決しなければなりません。
また、将来のシステム拡張やパフォーマンス向上を考慮した設計を行うためには、論理的思考力が不可欠です。
様々な要素を総合的に判断し、最適な解決策を提案できる能力が重要になります。
継続的な学習意欲も大切です。
IT技術は日々進歩しているため、新しい技術や手法を積極的に学び、自分のスキルをアップデートし続ける姿勢が求められます。
ユーザ会、勉強会を開催されているインフラエンジニアも多いですね。
インフラエンジニアのキャリアパスと将来性

専門性を活かしたキャリア展開
インフラエンジニアのキャリアパスは多岐にわたります。
技術的な専門性を深めていく道としては、シニアインフラエンジニアやテクニカルリーダーを目指すことができます。
特定の技術分野のスペシャリストとして、より高度で複雑なシステムの設計・構築を担当するようになります。
また、クラウドアーキテクトやセキュリティエンジニアなど、特定の分野に特化したキャリアを選ぶことも可能です。
近年、クラウド技術の需要が高まっているため、AWS認定ソリューションアーキテクトやMicrosoft Azure認定などの資格を取得することで、キャリアアップの機会が広がります。
さらに上級の役職としては、ITインフラ全体を統括するインフラマネージャーや、技術的な意思決定を行うCTO(最高技術責任者)を目指すことも可能です。
マネジメント職への転身
技術的なスキルに加えて、プロジェクト管理やチームマネジメントの経験を積むことで、マネジメント職への転身も可能です。
プロジェクトマネージャーとして、インフラ構築プロジェクト全体の進行管理を担当したり、チームリーダーとして後輩エンジニアの指導を行ったりします。
マネジメント職では、技術的な知識に加えて、予算管理、スケジュール管理、人材育成といったスキルが重要になります。
また、経営陣との調整や、顧客との交渉なども担当することがあります。
業界全体の将来性と需要
インフラエンジニアの将来性は非常に明るいと言えます。
デジタル化が進む現代において、ITインフラの重要性はますます高まっています。特に、リモートワークの普及やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、企業のIT投資は増加傾向にあります。
クラウドサービスの普及により、従来のオンプレミス環境からクラウド環境への移行を支援するインフラエンジニアの需要も高まっています。
また、IoTやAI技術の発展により、より複雑で高度なインフラシステムが求められるようになっており、専門性の高いインフラエンジニアの価値は今後も上がり続けると予想されます。
インフラエンジニアになるための準備と学習方法

未経験からのスタート方法
未経験からインフラエンジニアを目指す場合、まずは基礎的な知識を身につけることから始めましょう。
書籍やオンライン学習サイトを活用して、LinuxやWindowsの基本操作、ネットワークの仕組み、データベースの基礎などを学習します。
実際に手を動かして学習することが重要です。
今は無料で利用できるクラウドサービスも多いので、無料枠を使って実際にサーバーを立ててみたりしましょう。
また、IT企業の中には未経験者向けの研修制度が充実している会社もあります。
そのような会社を選んで就職し、実務を通じてスキルを身につけるのも良い方法です。
資格取得のメリットと取得順序
資格取得は、インフラエンジニアとしてのスキルを客観的に証明する有効な手段です。
特に未経験者や転職を考えている方にとっては、面接での自己アピールに役立ちます。
初心者におすすめの資格としては、「ITパスポート」や「基本情報技術者試験」があります。
これらの資格は、IT全般の基礎知識を幅広くカバーしているため、インフラエンジニアの土台となる知識を身につけることができます。
より専門的な資格としては、「LPIC(Linux Professional Institute Certification)」や「CCNA(Cisco Certified Network Associate)」があります。
LPICはLinuxシステムの管理スキルを、CCNAはネットワーク技術のスキルを証明する資格です。
クラウド系の資格では、「AWS認定ソリューションアーキテクト」や「Microsoft Azure Fundamentals」などが人気です。
これらの資格は、現在の市場需要が高く、就職や転職の際に大きなアドバンテージになります。
実践的なスキル習得方法
理論的な知識だけでなく、実践的なスキルを身につけることが重要です。
自宅学習環境を整えて、実際にサーバーを構築したり、ネットワークを設定したりする経験を積みましょう。
最近では、オンラインで実際のサーバー環境を体験できるサービスも増えています。
これらのサービスを活用することで、実機を用意しなくても実践的な経験を積むことができます。
また、GitHubなどを使って自分の学習成果を公開することも効果的です。
ポートフォリオとして活用できるだけでなく、他のエンジニアからフィードバックをもらうことで、より効率的にスキルアップできます。
転職活動においては、実際に作成したシステムの構成図や、解決した問題の事例などを具体的に説明できるよう準備しておくことが大切です。
まとめ:インフラエンジニアは縁の下の力持ち

インフラエンジニアは、私たちの日常生活に欠かせないITサービスの基盤を支える重要な職種です。
サーバー構築、ネットワーク設計、データベース管理、システム監視など、幅広い技術領域をカバーする専門性の高い仕事ですが、その分やりがいも大きく、将来性も抜群です。
未経験からでも、継続的な学習と実践的な経験を積むことで、十分にインフラエンジニアとして活躍することができます。
基礎的な知識から始めて、資格取得や実機での経験を通じて、段階的にスキルを身につけていきましょう。
技術の進歩とともに、インフラエンジニアに求められるスキルも変化していますが、基本的な考え方や問題解決のアプローチは変わりません。
しっかりとした基礎を身につけ、新しい技術にも積極的に取り組む姿勢があれば、きっと成功できるはずです。
「システムを支える縁の下の力持ち」として、多くの人々の生活を支えるインフラエンジニアという職種に、ぜひチャレンジしてみてくださいね。