IT業界に興味はあるけれど、エンジニアの働き方ってどんなものがあるのだろう? IT業界未経験の方は、そんな疑問を持ったことはありませんか?
エンジニアの働き方は人それぞれです。自社開発、SES、フリーランスから、アルバイト、派遣社員など、様々な選択肢があります。
この記事では、IT業界に詳しくない方にも分かりやすく、職務経歴書を書くのに苦労するくらい転職を繰り返してきた転職魔の私が、特にインフラエンジニアに焦点を当てて、エンジニアの様々な働き方について解説していきます。それぞれの特徴や、その働き方に向いている人など、ご自身に合った働き方を見つけるヒントをお伝えできればと思います。
インフラエンジニアの主な働き方5選
1. 自社エンジニア:自社の成長に貢献できる
自社エンジニアとは特定の企業に所属し、その企業と共に成長できる働き方です。自社のプロダクトを扱っている企業から、クライアント先のシステムの面倒を見ている企業など様々です。
自社エンジニアのメリット
- スケジュール管理を含め、タスクのコントロールがしやすい
- 新しい技術にチャレンジできる可能性がある
- 環境が変わらないため、業務に集中しやすい。提案改善も可能
- 自ら新しいサービスを作り出すことができる
自社エンジニアのデメリット
- 待ちの姿勢ではなく、能動的に動く姿勢が必要
- 新たな人脈を作りにくい
- 労働時間が長くなる可能性がある
- 休日夜間の呼び出しが発生する場合がある
自社エンジニアに向いている人
- 企画段階から自社サービスに関わりたい方
- チームでお仕事をしたい方
- 同じ環境で働き続けたい方
- マネジメントについて興味がある方
- 特定の企業に所属して働きたい方
2. SES(システムエンジニアリングサービス):様々な現場を経験
SES(システムエンジニアリングサービスの略)とは、クライアント先に常駐し(現在はリモートもあり)、そのクライアント先の業務に携わる働き方です。派遣社員と似ていますが、自社の社員という立ち位置になります。IT業界の経験が浅い頃はこの働き方が一番分かりにくいかもしれません。
メリット
- 様々な案件や現場を経験可能
- 多種多様な技術に触れる機会があり、スキルアップを目指せる
- 社員としての境遇を得られる
デメリット
- 希望する案件にアサインされない可能性がある
- タイミングや、ご自身のスキルにより、アサイン可能な案件がなく、待機になる可能性がある
所属企業によりますが、待機の間は大幅に給料が下がる場合があります - 現場によっては、明確にクライアント先の社員(プロパーさんと言います)との待遇が違う場合もある
- 帰社日に自社に出社しないとならない場合がある
向いている人
- 様々な技術や業界を経験したい方
- 特定の企業に所属して働きたい方
- 様々な環境を渡り歩くことが好きな方
3. フリーランスエンジニア:自身のスキルで自由に働く
フリーランスエンジニアは、特定の企業に所属せず個人で仕事を請け負う働き方です。フリーランスの方には、SES企業と契約し、クライアント先に出向されている方もいらっしゃいます。まさに腕一本で勝負ができる自由な働き方でしょう。
メリット
- 自身で案件を選ぶことができる
- 仕事の量をコントロールすることが可能
- 高い収入を得られやすい
- ご自身でキャリアパスを描くことができる
デメリット
- 収入が不安定になりがち
- 社会保険や失業保険がない
- 社会的な信用が低くみられる場合がある
- 営業力や人脈がないと案件の獲得が大変
向いている人
- 自由な働き方を求める方
- 高い技術力と営業力を持つ方
- 高い収入を目指している方
4. アルバイト:エンジニアとしての経験を積む
実はアルバイトでもエンジニアとして働くことは可能です。副業としてはもちろん、経験を積みたいときの選択肢として有効な働き方と言えます。かくいう私も未経験からアルバイトでスキルを上げ、正社員登用をいただいた過去があります。
メリット
- 短時間でも勤務が可能
- 経験が浅くても実務経験を積める
- 正社員への登用の可能性がある
デメリット
- 収入が上がりにくい
- 責任のある仕事を任されにくい
- 雑用が多くなり、キャリアアップになりづらい
向いている人
- 学生や副業を考えている方
- IT業界の経験を積みたい方
- 柔軟な働き方を求めている方
5. 派遣社員:様々な現場を経験
人材派遣会社に登録し、その派遣会社から企業を紹介してもらう働き方です。SESと働き方は似てはいますが、正社員ではありません。IT業界以外でも派遣社員は一般的な働き方なのでイメージがしやすいのではないでしょうか。
メリット
- 様々な環境を経験することができる
- 色々な業界や技術に触れる機会がある
- 特定派遣など、正社員へ道が開かれている場合がある
デメリット
- 雇用の安定性が社員に比べると低い
- 責任のある仕事を任せてもらえない場合がある
- 希望しない企業を紹介される可能性がある
向いている人
- 様々な職場環境を経験したい方
- スキルアップを重視する方
- マネジメントより現場の仕事が好きな方
それぞれの働き方の比較
働き方の比較結果を表にまとめてみました。
働き方 | 安定性 | 自由度 | 収入 | スキルアップ |
---|---|---|---|---|
自社 | 高 | 中 | 中 | 中 |
SES | 中〜高 | 中 | 中 | 高 |
フリーランス | 低 | 高 | 高 | 高 |
アルバイト | 低 | 高 | 低 | 低 |
派遣社員 | 中 | 中 | 中 | 中 |
エンジニアとしてのキャリアパス
エンジニアとしてのキャリアは、ずっと同じ働き方を続ける必要はありません。実際、様々な働き方を選択されているエンジニアも多いでしょう。
例えば、私自身も以下のようなキャリアを経験しています
- 未経験でアルバイトエンジニアとして働く
- 派遣社員で更なるスキルアップを目指す
- SESでクライアント先に常駐し、炎上案件に揉まれる
- 自社エンジニアとして毎日格闘
何よりも、ご自身の目標やライフスタイルに合わせて、最適な働き方が選択できるといいですね。
エンジニアとして働き続けるポイント
最後に、細々とではありますが、エンジニアとして働き続けることができている私から、いくつか続けるポイントをお伝えします。
- 継続的な学習
耳にタコができるくらい聞いたことがあると思いますが、これができない方はエンジニアには向いていません。
技術の進化は本当に速いです。これから益々加速して行くでしょう。
自戒を込めて、常に新しい知識やスキルを学び続けることが大切です。 - コミュニケーション能力
いまだにエンジニアと聞くと、パソコンとずっと睨めっこしているイメージが強いみたいですが、実は高いコミュニケーション能力が求められます。
クライアントはもちろん、上司が求めることを正確に把握するためにはコミュニケーションが不可欠です。 - 問題解決能力
まさにエンジニアの本質です。問題が解決できたときの喜びは、何度経験しても良いものです。
論理的思考力とひらめきを鍛えていく必要があるでしょう。 - 時間管理スキル
案件には原則納期があります。また、複数の案件が同時に動いている、ということもよくあります。スケジュールと複数のタスクを効率的に管理する能力があると、更に頼られるエンジニアになれるでしょう。実はタスク管理が苦手なエンジニアは結構多いです。この能力を高めると、一歩前に出られるかもしれません。 - 人との繋がり
できるエンジニアほど、IT業界内の繋がりを大切にされています。その人脈によりキャリアアップや新しい機会を得ることができるでしょう。
まとめ:ご自身に合った働き方を見つける
エンジニアの働き方は多様で、それぞれに特徴があります。今回紹介したもの以外にも、今後新しい働き方が出てくるかもしれません。
ご自身の性格、スキル、目標、そしてライフスタイルから、ご自分に合った最適な働き方を選択しましょう。また、合わないな、と思ったら働き方を変えてみるのも良いでしょう。
もちろんどんな働き方で合っても、継続的な学習と自己成長は必須です。エンジニアとしてのキャリアは、技術の進歩と共にこれからも変化し続けるでしょう。頭を柔軟に保ち、これからも新しい挑戦をしていきましょう。