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AWS Transfer Familyとは何か ざっくり解説

transfer family クラウドニュース

取引先とのファイルのやり取りに、SFTPサーバーを使っている会社はまだまだ多いですよね。
でも、そのSFTPサーバーの管理、地味に大変だったりしませんか。

  • ソフトウェアのアップデート
  • ユーザーアカウントの管理
  • 証明書の更新
  • 障害対応

ファイルを受け取るだけのために、意外とやることは多いです。

AWS Transfer Familyは、こうしたファイル転送サーバーの運用をAWSに丸ごと任せられるマネージドサービスです。

  • SFTP
  • FTPS
  • FTP
  • AS2

の4つのプロトコルに対応しており、受け取ったファイルはそのままAmazon S3またはAmazon EFSに保存されます。

今回はAWS Transfer Familyの仕組みと使いどころを、ざっくり解説します。

AWS Transfer Familyとは サーバーを立てずにファイル転送エンドポイントを用意できるサービス

AWS Transfer Family は、EC2などのサーバーを自前で立てることなく、SFTP・FTPS・FTP・AS2のファイル転送エンドポイントをAWS上に作れるサービスです。

おさらいですが、「マネージド」というのは、サーバーの起動・パッチ適用・スケーリング・冗長化をAWSが担当するという意味。利用者がやることは、エンドポイントの設定とユーザー管理だけです。

転送されたファイルの保存先はAmazon S3またはAmazon EFSです。

ファイルが届いた瞬間からS3に入っているので、そのままLambdaでの処理・Glueでのデータ変換・Athenaでの分析といったAWSの後続サービスにつなげられます

「Transfer Family」という名前の意味

もともとAWSは「AWS Transfer for SFTP」という名前でSFTP専用サービスを提供していました。

その後FTPS・FTP・AS2と対応プロトコルが増えたタイミングで、複数プロトコルをまとめた「ファミリー(一家)」として「AWS Transfer Family」に改名されました。

対応プロトコル① SFTP 最も広く使われる暗号化ファイル転送

SFTP(SSH File Transfer Protocol)は、SSH(Secure Shell)という暗号化通信の仕組みの上でファイルを転送するプロトコルです。

通信が暗号化されているため、インターネット経由のファイル転送に広く使われています。
金融・医療・製造など、機密性の高いファイルをやり取りする業界での採用実績が豊富です。

認証方式はSSHキーペア(公開鍵認証)またはパスワードを使います。
AWS Transfer FamilyのSFTPエンドポイントでは、ユーザーごとにSSHキーを登録して接続を制御できます。

取引先が「SFTPでファイルをください」と言ってくる場面の大半は、このSFTPで対応できます。

対応プロトコル② FTPS 既存のFTP資産をそのまま暗号化して引き継げる

FTPS(FTP over SSL/TLS)は、昔からあるFTPという転送プロトコルを、SSL/TLSで暗号化したものです。

名前が似ているのでSFTPと混同されがちですが、まったく別の仕組み。
SFTPはSSHベース、FTPSはFTPベースと覚えておくとよいです。

FTPSが役立つのは、「すでにFTP系のクライアントソフトやシステムを使っている取引先がいて、そのままの設定で乗り換えたい」という場面です。

FTP→FTPSへの移行は、FTP→SFTPへの移行よりも接続設定の変更が少なく済む場合があります。

対応プロトコル③ FTP レガシーシステムとの互換性のために残されている選択肢

FTP(File Transfer Protocol)は、インターネット黎明期から使われてきた最も歴史の長いファイル転送プロトコルです。

ただし通信が暗号化されていないため、インターネット経由での使用はセキュリティリスクがあります。

AWS Transfer FamilyでFTPを使う場面は限られており、基本的には「古いシステムやレガシー機器がFTPしか話せない」という理由で、社内ネットワークや閉じたVPC内限定で使うケースがほとんどです。

新規にファイル転送の仕組みを作る場合は、SFTPまたはFTPSを選ぶようにしましょう。

対応プロトコル④ AS2 EDIや企業間データ交換で使われる業界標準

AS2(Applicability Statement 2)は、企業間の電子データ交換(EDI)で使われる業界標準プロトコルです。
小売・物流・製造業で広く使われており、取引先にAS2での接続を求めてくる企業も少なくありません。

AS2の特徴は、ファイル転送と同時に以下の機能を持っている点です。

  • メッセージの暗号化:転送データをS/MIMEで暗号化
  • デジタル署名:送信元が本物かどうかを証明
  • MDN(受信確認):相手がファイルを受け取ったことの証跡が残る

金融や流通の現場では「AS2でないと取引できない」という企業もあるようです。

これまでAS2への対応には専用ソフトウェアや専用サーバーが必要でしたが、AWS Transfer FamilyのAS2対応によって、AWSの管理コンソールから設定できるようになりました。

転送先はS3かEFS 受け取ったファイルをそのままAWSで活用できる

AWS Transfer Familyの大きな特徴は、転送されたファイルが直接Amazon S3またはAmazon EFSに入ることです。

自前のSFTPサーバーの場合、

「ファイルが届いたらサーバー上のディレクトリに保存される → 別のスクリプトでS3に移動する」

という二段階の処理が必要でした。

Transfer FamilyではSFTPでファイルを受け取った瞬間にS3に入るので、この中間処理が不要になります。

  • Amazon S3を選ぶ場合:大量のファイルをコスト効率よく保存したい、S3イベント通知でLambdaやGlueと連携したい場合に向いています
  • Amazon EFSを選ぶ場合:EC2インスタンスやコンテナから通常のファイルシステムとしてマウントして使いたい場合に向いています

AWS Transfer Familyが向いている場面 こんな課題があれば検討の価値あり

以下に当てはまる場合は、Transfer Familyの導入を検討する価値があります。

  • SFTPサーバーを自前で運用していて管理が大変
    パッチ・証明書更新・障害対応をAWSに任せられます
  • 取引先からSFTP・AS2での接続を求められている
    EC2を立てずにエンドポイントを用意できます
  • 受け取ったファイルをS3に入れてそのまま処理したい
    ファイルが届いた瞬間からS3に入るので後続の自動処理につなげやすいです
  • 複数の取引先から異なるプロトコルで受け取る必要がある
    1つのサービスでSFTP・FTPS・AS2を同時に対応できます
  • ファイル転送のアクセスログをCloudTrailやCloudWatch Logsで管理したい
    Transfer FamilyはアクティビティログをそのままAWSの監視サービスに流せます

逆に、「社内の数人だけがたまにファイルをやり取りする」程度の用途なら、S3の署名付きURL(Presigned URL)や他のシンプルな方法の方がコストを抑えられるかもしれません。

「SFTPサーバーの管理が面倒」「AS2対応が急に必要になった」という場面で、まず選択肢に上がるのがAWS Transfer Familyです。

AWSの他のサービスとの連携がスムーズな点も、すでにAWSを使っている環境では大きな魅力でしょう。

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