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AWS Redshiftの新規クエリが最大7倍速く、設定不要

Redshift 7倍早く クラウドニュース
  • 設定変更なし
  • 追加費用なし
  • それでいて最大7倍速い!

2026年3月のAmazon Redshiftアップデートが熱いです!

BIダッシュボードやETLワークロードに関わっている方にはとくに気になるアップデートではないでしょうか。今回はRedshiftの概要とあわせて、中身をご紹介したいと思います。

Amazon Redshiftってどんなサービス?

Amazon Redshift は、AWSが提供するクラウドデータウェアハウスサービスです。

大量のデータを高速に分析するために設計されており、ペタバイト規模のデータも扱えます。
1990年代から続くデータウェアハウスの概念をクラウドネイティブに再設計したサービスで、2012年のリリース以来、多くの企業のデータ分析基盤として採用されてきました。

RDSやAuroraがトランザクション処理(日々の業務データの読み書き)に向いているのに対し、Redshiftは分析クエリ(集計・レポート作成)に特化しています。

  • 「先月の売上を地域別に集計したい」
  • 「過去3年間のユーザー行動を分析したい」

といったような、大量データをまとめて処理するワークロードが得意です。

内部的には列指向ストレージを採用しており、特定の列だけを読み込む分析クエリと非常に相性が良い設計になっています。

行指向のRDBMSでは全行を読み込む必要がある処理でも、Redshiftなら必要な列だけを効率よく読み込めるため、I/Oを大幅に削減できます。

BIツール(TableauやQuickSightなど)のバックエンドとして使われることも多く、データ分析基盤の中心に置かれることが多いサービスです。

PostgreSQL互換なので、SQLに慣れている方には扱いやすいのも特徴のひとつです。

また、S3上のデータをそのままクエリできるRedshift Spectrumや、機械学習モデルをSQL内で呼び出せるRedshift MLなど、周辺機能も充実しています。

今回のアップデート:新規クエリが最大7倍速く

Redshiftはクエリを実行する前に、そのクエリに最適化されたコードをコンパイルするという処理を行います。

これによって高速な実行が実現できるのですが、一方で「初回実行時はコンパイルの時間がかかる」というのが長年の課題でした。

特にBIダッシュボードやアドホック分析など、新しいクエリが次々と発行される場面では、この初回遅延がボトルネックになりやすかったんです。

2回目以降は同じクエリのコンパイル結果がキャッシュされるため速くなりますが、「初めて実行するクエリ」が多い環境ではその恩恵を受けにくい状況が続いていました。

分析業務では条件を変えながら試行錯誤することも多いので、この問題は特に現場で働くデータアナリストやエンジニアにとって地味にストレスだったはずです。

そこで、今回のアップデートでは、「コンポジション」と呼ばれる新しい最適化手法が導入されました。

仕組みをざっくり説明すると、

  • 既存のコンパイル済みロジックを軽量な構成として組み合わせながら処理
  • クエリ固有の最適化コードの生成を並行して進める

というものです。

これにより、クエリ実行のクリティカルパスからコンパイル処理が切り離されます

つまり「コンパイルが終わるまで待つ」という状況がなくなり、新規クエリでも即座に実行が始まるようになったわけです。

コンパイルによる最適化は引き続きバックグラウンドで行われるため、実行速度の質を落とさずに初回レイテンシーだけを改善できている点が技術的に面白いところです。

どんな場面で効果が出る?

今回の改善が特に効いてくるのは、以下のようなユースケースです。

ユースケース嬉しいポイント
BIダッシュボード画面を開いたときの初期表示が速くなる
ETLパイプライン新規クエリ混じりのパイプラインでも詰まりにくくなる
アドホック分析試しに投げたクエリがすぐ返ってくる
AIエージェント向けSQL低レイテンシーが求められるリアルタイム分析に対応

特にBIダッシュボードへの影響は大きいのでないでしょうか。

朝一番にダッシュボードを開いて「くるくる」が続く時間、ありましたよね。
ユーザーが多い環境では同時に多くの新規クエリが発行されるため、従来はその分だけ待ち時間が積み重なっていました。

今回の改善で、その「朝一番の詰まり」が解消されやすくなります。

またAIエージェント向けのSQL実行という用途が明記されているのも注目です。

LLMを活用した分析アシスタントやデータ質問応答システムなど、自然言語からSQLを生成して実行するようなユースケースでは、毎回異なるクエリが生成されるため新規クエリの割合が高くなります。

そういった次世代のデータ活用シーンでも、今回の改善の恩恵を受けられそうです。

すぐに使える?費用は?

冒頭でも触れましたが、何もしなくても自動で適用される点がこのアップデートの大きなポイントです。

  • すべての商用AWSリージョンで有効
  • プロビジョニング済みクラスター・サーバーレスワークグループ両対応
  • 追加費用なし
  • 設定変更・対応作業なし

最新トラックのクラスターはすでに利用可能で、その他のトラックにも順次展開予定とのことです。

Redshiftを使っている方は、特に何もしなくても恩恵を受けられるのは嬉しいですよね。
作業は一切発生しないので、気づいたら速くなっていた、という素晴らしい体験になるはずです。

まとめ | 新規クエリ「待ち」がなくなる時代へ 

今回のRedshiftアップデートは、実務への影響が大きいアップデートだと思います。

「新規クエリが遅い」という課題はRedshiftユーザーにとって長年のあるあるでしたが、コンポジションという手法によってその問題に正面から向き合った形です。さすがAWSですね。

最大7倍という数字はインパクトがありますが、全クエリが7倍になるわけではなく、新規クエリの初回実行時に特に効果が出るという点は押さえておくと良いかもしれません。

それでも、BIダッシュボードやアドホック分析が多い環境では体感できる改善になるはずです。

追加費用なし・設定不要で自動適用という太っ腹なアップデート、Redshiftを使っている方はぜひ体感してみてください!!

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