
「パソコンは使えるけど、専門知識はゼロ。それでもIT系のエンジニアになりたいな…なれるかな」
そんな不安を抱えながら、当時の私はIT業界への第一歩を踏み出しました。
正直、期待:5%、不安:95%と不安の方がかなり大きかったです。
今ではキャリア20年以上、日々当たり前のようにサーバー設定やクラウド構築、はたまた業務改善などの仕事をしていますが、最初から自信があったわけではありません。
むしろ、
- 女性だから
- 理系じゃないから
- 頭良くないし
- もう年だから
と、できない理由は次から次へと浮かんできては、不安に押しつぶされそうになっていました。
でも、それから数か月後、ひよっこではありますがインフラエンジニアとしてのキャリアをスタートすることができたのです。
この記事では、IT専門知識ゼロの状態からどうやってインフラエンジニアになったのか、特に女性が感じやすい不安や疑問について、私の経験をもとにお伝えします。
もし今、「IT業界に興味はあるけど、未経験だし、女性だし…」と迷っているなら、この記事があなたの背中を押すきっかけになれば嬉しいです。
未経験からインフラエンジニアを目指すのが怖かった理由

「女性はIT業界に向いていないのでは?」という思い込み

「ITって男性が多い業界では?女性がやっていくには鋼のメンタルが必要なのでは?」
そんな風に感じたことはありませんか?
今でこそ女性エンジニアは多くいらっしゃいますが、それでもやはり男性の方が多い印象があります。
そして、当時はそれ以上に男性しかいない、そんなイメージが強い業界でした。
職場は男性ばかりで居心地が悪いのではないか、女性だからという理由で能力を過小評価されるのではないかと、私もそんな不安を抱えていました。
でも、清水の舞台を飛び降りる気持ちで実際に業界に入ってみると、性別は全く関係がなく
「できるかできないか」
が重視される世界だということに気づきました。
確かに男性が多い職場ではありましたが、
- 同じ目線で仕事ができる
- スキルや実績で評価される
- お茶汲みをさせられない
- コピー取りで1日が終わらない
後半2つは時代を反映してますね…、カルチャーショックだったのを今でも覚えています。
もちろん力仕事は中々男性には及ばないのですが、逆に女性ならではの視点や発想が重宝されることがとても多かったです。
「理系の知識がない」という劣等感
私は文系出身で、プログラミングはおろか、パソコンの基本的な仕組みすら詳しく知りませんでした。エンジニアというと、数学や物理が得意な「理系脳」の人がなるものだという思い込みがありました。
でも、インフラエンジニアに必要なのは、必ずしも高度な数学や物理の知識ではありません。もちろん、技術的な知識は必要ですが、それは学べばよいこと。むしろ大切なのは、問題解決能力や論理的思考力、そして何より「学び続ける姿勢」です。
最初は専門用語の多さに眩暈がしそうでしたが、一つずつ理解していくうちに、「これなら私にもできる」という自信が徐々に芽生えてきました。
「もう年齢的に遅いのでは?」という焦り
30代目前だった私は、「IT業界は若い人の世界」というイメージから、「もう遅いのでは?」という焦りもありました。
新しい技術をキャッチアップし続けられるだろうか、若い人たちについていけるだろうかという不安です。

「でも30代でしょ?私はもう40代だし…」
そう感じてしまう気持ちも、もちろん痛いほどわかります。
でも、IT業界は年齢よりも意欲や適性の方が重要視されます。
もちろん、ただ「やる気があります!」と言うガッツだけでは、若い人に敵わないでしょう。
私たちには今までの社会人経験という大きなアドバンテージがあります。
コミュニケーション能力やビジネスマナーはもちろん、他の業界で身につけた専門外のスキルが役立つ場面はとても多いんですよ。
インフラエンジニアは特に、システムの安定運用や障害対応など、冷静な判断力や経験が物を言う場面が多いので、年齢を重ねていることが、むしろ強みになることもあるのです。
「勉強についていけるだろうか」という学習への不安
エンジニアといえば、常に新しい技術を学び続ける必要があります。特にIT業界は変化のスピードが目まぐるしく、「ついていけるだろうか」という不安を感じるのは当たり前のことです。
私も最初は専門用語の嵐を見て途方に暮れました。でも、他の物事と同じで基礎をしっかり固めれば応用は効くものに気づけば、怖いものではなかったのです。
一度基礎をしっかりと理解すれば、新しい技術もチャレンジしやすくなりますよ。
大切なことは、完璧を目指さず、周りと比べず、分からないことは素直に質問する姿勢です。
最初はAIに聞いてみましょう。それでも分からなかったり、ピンと来なかったり、自信がないなぁと思ったら、周りの先輩方に教えを請いましょう。

「でもエンジニアって忙しいんじゃ…」
そう思われるかもしれません。
そんな時こそ、今まで培ってきたコミュニケーションスキル、質問能力が役立ちます。
闇雲に質問するのではなく、事前に質問内容を整理しておけば、緊急事態の時でなければサポートは得られますよ。
私が通ったスクールの正直な感想

スクールを通うことを決めた理由
未経験でIT業界に飛び込んだものの、最初は苦労の連続でした。とにかく何一つ分からない。言葉も文化も何もかもが未知の世界でした。
でも、周りの人は皆忙しそうで、とても質問ができる雰囲気ではありません。
ただ、お客様から見たら、新人もベテランも一緒。

「申し訳ありません、すぐに上の者を呼んできます」
泣きそうになりながら、それだけ答える日々。
自分が情けなくて、毎日必死に勉強を続けていました。
でも、何せ基礎知識が全くない身。
独学だと本当に今学んでいることが正しいのか、間違った勉強方法をしていないか、不安が日に日に大きくなるばかりでした。
そんな時に「IT系スクール」という存在を知ったのです。
スクール選びで重視したポイント
どうやら今のこの困った状況を打破するにはスクールが良いらしいことは分かりました。
でも、ここでもやっぱり知識不足が邪魔をします。

「スクールってどうやって選べば良いの…」
当時はインターネット上の情報がそれほどなく、パンフレットを請求しては隅から隅までチェックしては唸っていました。
私が最終的にスクールを選ぶ際に重視したのは、以下のポイントです。
- 未経験者向けのカリキュラムがあるか
基礎から丁寧に教えてくれるか、未経験者でもついていけるカリキュラムになっているかを重視しました。 - サポートが充実しているか
些細なことでも聞けて、カリキュラム以外の質問も可能かをチェックしました。 - 現役エンジニアから学べるか
実務で役立つスキルを身につけるには、単なる知識だけでなく、現場のリアルを熟知している講師から学ぶことが重要だと考えました。 - 1日でも早く現場で使えるスキルを身につけられるか
じっくりと一から学びたい気持ちはあったものの、とにかく焦っていたので1日でも早くスキルが身に付けられることを重視しました。 - 通える場所にスクールがあるか
当時はオンライン授業を開催しているスクールがなかったので、スクールの場所は大事でした。 - 一緒に学ぶ仲間がいるか
一人で学ぶことが苦手だったのもありますし、仲間と切磋琢磨しながら学びたいと思っていました。 - 資格取得が可能か
仕事の上では資格は重要ではありませんでしたが、その先を見据えて資格は取りたいと考えていました。
実際に通ってみて良かった点
スクールに通って良かったと感じる点はいくつもあります。
まず、同じ目標を持つ仲間と学習する経験ができたことです。未経験からエンジニアを目指す人たちと一緒に学ぶことで、互いに励まし合い、孤独感を感じることなく学習を続けられました。
次に、体系的に学べたことです。独学だと、「何から手をつければいいのか」「どこまで深く学べばいいのか」が分かりませんでしたが、スクールのカリキュラムに沿って学ぶことで、効率良く必要なスキルを身につけることができました。独学で学んだことも決して無駄じゃなかったことに気づけたことも、大きな励みになりました。
さらに、現役エンジニアからのフィードバックが得られたことも大きな利点でした。机上の空論ではなく、実際の現場で役立つ知識やノウハウを教えてもらえました。
正直、ここは改善してほしかった点
もちろん、全てが完璧だったわけではありません。
カリキュラムのペースが合わないと感じることもありました。ついていけないと感じるところもあれば、すでに学習済みのところもありました。これはクラス制のスクールのデメリットでもあります。
また、実務に直結するような演習がもう少し欲しかったという思いもあります。演習はたくさんありましたが、資格取得が目標のスクールでしたので、「え?どこで使うのこの技術?」といった内容も多くありました。現在のスクールはその点、かなり現場寄り、実践重視のカリキュラムが増えているようで羨ましく感じます。
贅沢を言えば、女性向けのキャリアサポートがあれば更に良かったと思います。IT業界での女性のロールモデルや、女性特有の悩み(男性社会で生き抜く方法など)についてのアドバイスがあると、より安心して学べたでしょう。
今なら気になるインフラエンジニア向けスクール4選
現在はさまざまなインフラエンジニア向けスクールがあります。私が当時通ったスクールの経験と、最近の情報をもとに、特に未経験の女性におすすめしたいスクールを紹介したいと思います。
インターネット・アカデミー
料金: 約30万円〜(コースによる)
期間: 3ヶ月〜6ヶ月
特徴:
インターネット・アカデミーは長い歴史を持つITスクールで、その実績は業界内でも高く評価されています。特に未経験者向けのコースが充実しており、基礎からしっかり学べるカリキュラムがとても魅力的です。
女性向けのブランドを持っているため、女性受講生の比率も比較的高く、女性が学びやすい環境が整っています。また、少人数制のクラス編成で、一人ひとりに合わせた丁寧な指導が受けられます。
また、就職サポートも手厚く、履歴書・職務経歴書の添削から面接対策まで、転職活動をトータルでサポートしてくれます。未経験からのキャリアチェンジを真剣に考えている方におすすめのスクールです。
こんな人におすすめ:
- 基礎からじっくり学びたい人
- きめ細かいサポートを受けたい人
- 女性が学びやすい環境を求める人
RaiseTech(レイズテック)
料金: 約49万円〜(コースによる)
期間: 4ヶ月〜6ヶ月
特徴:
RaiseTechは比較的新しいスクールながら、実践的なカリキュラムと現役エンジニア講師陣で人気を集めています。これからインフラエンジニアを目指す方には嬉しいAWS(Amazon Web Services)のクラウドインフラを中心に学べるコースが提供されており、現在の市場ニーズに合ったスキルを身につけることができます。
オンライン完結型のため、地方在住者や子育て中の女性でも自分のペースで学習を進められるのが大きな魅力です。また、チャットツールを使った質問対応が24時間可能なため、夜間や休日に学習する人でも安心です。
転職成功率の高さも特徴で、未経験からエンジニアへの転職実績も豊富です。キャリアアドバイザーによる個別カウンセリングも充実しています。
こんな人におすすめ:
- 最新のクラウド技術を学びたい人
- 時間や場所を選ばず学習したい人
- 実践的なスキルを短期間で身につけたい人
ウズウズカレッジ(番外編)
料金: 約13万円〜
期間: 4ヶ月
特徴:
ウズウズカレッジは、35歳までの未経験者向けの転職支援に強みを持つスクールです。年齢制限があるのが残念ですが、技術スキルだけでなく、転職活動のサポートも手厚いのが特徴です。
インフラエンジニアの登竜門であるCiscoの資格、CCNAを取得するためのスキルを身につけることができます。
また、CCNA以外にも(自由テキスト)” target=”_blank” rel=”noopener” title=””>LinuC取得を目指すコースもあり、サーバ寄りのインフラエンジニアを希望される方は、こちらのコースがおすすめです。
こんな人におすすめ:
- 転職まで確実にサポートを受けたい35歳までの方
- 比較的リーズナブルな料金で学びたい方
- 学ぶだけでなく資格取得も目指したい方
テックハブカレッジ(番外編その2)
料金:無料(条件あり)
期間: 3ヶ月
特徴:
こちらも年齢制限があるため番外編としていますが、テックハブカレッジは転職を希望する20代の方が無料で受講できるスクールです。ITインフラ入門コースが用意されており、ネットワーク、サーバー、クラウドなど、ITの基盤となるシステムを設計、構築、運用などを学ぶことができます。
ただし、転職を希望されていることが受講の条件であり、場合によっては違約金が発生する可能性があります。無料相談で忘れずに詳細を確認するようにしてください!
こんな人におすすめ:
- 必ずインフラエンジニアとして転職する強い意志を持たれている方
- 転職まで確実にサポートを受けたい30歳までの方(31歳以上の方も相談は可能)
私が最初にやった”小さな一歩”

スクールに通う前も、実は私なりに準備をしていました。いきなり大きな決断をするのではなく、小さな一歩から始めたことで、自信を持ってスクール選びに臨むことができました。
まずは情報収集から始めた
最初に行ったのは、インフラエンジニアについての情報収集です。具体的には以下のようなことをしました。
- 技術ブログや技術系のサイトをチェック
実際に働いている人の声は貴重な情報源です。日々どんな仕事をしているのか、やりがいや苦労は何かを知ることで、自分に合うかどうかの判断材料になりました。 - 技術系の雑誌を読む
当時はまだSNSが発達していませんでしたので、技術系の雑誌は貴重な情報源でした。
情報が少ないながらも、可能な範囲で調査を行いました。

独学で基礎知識を身につけた
スクールに通う前に、自分でも学習を始めました。
- 書籍で基本的な知識を得る
オンラインで教材が提供されるようなことはまだありませんでしたので、初心者向けの書籍で基礎知識を固めました。 - 実際にインストールして触ってみる
手持ちのデスクトップパソコンに実際にLinuxをインストールしたり、簡単なサーバー構築を試したりしました。
今ほどLINUXが洗練されておらず、モジュールのインストールがうまくいかずに挫折したことを今でも覚えています。苦労したこと程忘れないですね。
現在は、無料で学習できるプラットフォームが多数提供されています。
無料とは思えないくらい素晴らしいものばかりですので、色々と試されることをオススメします。
エンジニアの先輩の働きぶりを目で盗む
幸い、私は情報システムを担当するエンジニアをサポートする事務職として派遣された経験がありました。
漠然と「このままではいけない」と感じていたので、エンジニアがどんな仕事をしているのか、どのような姿勢で業務に臨んでいるかを、目で盗むようにしていました。
今は、エンジニアコミュニティのイベントに参加したり、SNSで質問することもできるでしょう。多くのエンジニアは、未経験者の質問に親切に答えてくださる方ばかりです。初心者向けの勉強会も多く開催されていますので、恐れずに参加していただきたいです。
1日30分からの習慣化
「毎日少しずつでも学ぶ」という習慣をつけることも大切です。私は朝の通勤時間を利用して技術サイトをチェックしたり、昼休みに技術書を使って勉強をしていました。
最初は「1日30分」という小さな目標から始め、徐々に学習時間を増やしていきました。継続することで少しずつ知識が蓄積され、自信にもつながっていくのを感じられます。
また、学んだことをノートにまとめることで、知識の定着を図りました。その時に、人に説明できるようにまとめるようにすると、自分の理解度も上がりますよ。
「不安でも一歩踏み出してよかった」今だから言えること
未経験の女性がインフラエンジニアになるために大切なこと
ここまで私の経験を元に、未経験の女性がインフラエンジニアを目指す道のりをお伝えしてきました。最後に、この経験から学んだ大切なことをまとめます。
- 「女性だから」と諦めないこと
性別は関係ありません。むしろ多様性が求められる現代のIT業界では、女性ならではの視点や発想が歓迎されています。 - 小さな一歩から始めること
いきなり大きな決断をするのではなく、まずは情報収集や基礎学習から始めましょう。小さな成功体験が自信につながります。それにより、向き不向きがわかるようになるでしょう。 - 仲間や相談できる人を見つけること
同じ目標を持つ仲間や、アドバイスをくれる先輩エンジニアの存在は大きな支えになります。一人で抱え込まずに、積極的にコミュニティに参加しましょう。 - 自分のペースで学び続けること
人と比べず、自分のペースで着実に前進することが大切です。IT業界は常に変化しているため、学び続ける姿勢が最も大切です。
今だから言える「踏み出して良かった」こと
インフラエンジニアとして働き始めて、私は本当に転職して良かったと感じています。
それまでの事務職も決して嫌いだったわけではありません。(お茶汲みやコピー取りは苦手でしたが)
でも、エンジニアとしての仕事の達成感は比較できるものではありません。トラブルを解決できたとき、顧客の要望以上の成果を出せたときの達成感は何ものにも代えがたいものがあります。
リモートワークが可能となった今、ワークライフバランスも以前の仕事より良くなりました。成果を出せれば自分のペースで進められることができ、自分の時間を大切にしながら働けています。
そして何より、経済的な安定が得られたことも大きな変化です。IT業界、特にインフラエンジニアはニーズが高く、未経験からスタートしても着実にキャリアアップしていける道があります。
これから一歩を踏み出すあなたへ

「興味はあるけど、自分にできるかな」

「今からでも遅くないかな…」
と迷われていますか?是非その一歩を踏み出す勇気を持っていただきたいです。
私も最初は不安でいっぱいでしたが、今振り返れば、その一歩が人生の転機となりました。
失敗の多い人生ではありますが、あの時の一歩を後悔したことはありません。
まずは、興味のあるスクールの無料説明会に参加したり、入門書を手に取ったりと、小さな一歩から始めてみませんか?
この記事で紹介したスクールは、いずれも無料カウンセリングや説明会を実施しています。自分に合ったスクールを見つけて、新しいキャリアへの第一歩を踏み出してみましょう。
あなたの挑戦が実り多きものになることを心から願っています。