IT業界の求人を眺めていると、「資格保持者優遇」の文字が目に入ることはありませんか?
資格って持っていると良さそうだけど、参考書は分厚いし、専門用語ばかりだし、で見るだけで心が折れそう。
かといって、スクールに通う時間もお金もない。
そもそも40代50代から始めて間に合うの?と不安を感じる方も多いでしょう。
結論から言えば、IT資格の勉強は40代・50代から、しかも無料で十分に効率よく進める方法があります。
インターネット上には質の高い無料教材が溢れています。
それらを活用しながら、正しい勉強法を知れば、働きながらでも十分に合格を目指すことができるでしょう。
実際、40代50代からIT資格の勉強を始める人は増えていると言われています。
理由はさまざまですが、共通しているのは

これからの人生を自分の力で切り開きたい!
という想いではないでしょうか。
この記事では、40代50代が効率よくIT資格に挑戦するための具体的な方法をお伝えしていきます。
お金をかけずに、マイペースに、一歩ずつスキルアップできる道筋を一緒に探していきましょう。

ベテランになっても資格を取る機会は多いです。
一度テクニックを身につけて仕舞えば、資格取得までの時間はドンドン短縮できるようになりますよ。
40代50代にIT資格が必要な理由

転職市場を見ると、40代50代の求人は確かに少なく、非常に狭き門と言えます。
ただ、その中でIT業界は人材不足が深刻のため、年齢よりもスキルを重視する企業を見つけやすい業界と言えます。
特に、未経験からの転職やキャリアアップを目指す場合、資格を保有していることが最低限の知識を取得している証明になります。
企業側も「ITの知識が本当にあるのか」を判断する材料が欲しい。
厳しいことを言うようですが、知識がゼロだった場合会話すら難しいケースも多いんです。
そのため、履歴書に具体的な資格名が書いてあれば、少なくとも基礎知識はあると判断してもらうことができます。
逆の立場で考えてみればわかると思うのですが、40代50代には研修で育てる時間はないというのが企業の本音でしょう。
そして、これはどこの業界でも同じです。
だからこそ、資格という「戦うための最低限の装備」を取得しておくことが大切です。
自分に合ったIT資格の選び方

残念ながらIT資格で「これだけ持っておけば大丈夫」といえる汎用的な資格はありません。
そのため、自分の目指すキャリアに合った資格を選ぶようにしましょう。
目指すキャリアから逆算
IT資格には本当に様々な、それこそ星の数ほど種類があります。
全部取っていては、時間がいくらあっても足りません。
ご自分がなりたいエンジニア像にマッチした資格を探すようにしましょう。
難易度と勉強時間のバランス
現代人は皆忙しい。中でも特に40代50代は時間が限られていますよね。
仕事に家庭にプライベートに、時間がいくらあっても足りません。
そのため、難易度が高すぎる資格を選ぶと、挫折のリスクが非常に高まってしまいます。
初めてチャレンジされる場合は、3〜4ヶ月、無理のないペースで取得できる資格から始めましょう。
何度か合格体験を繰り返すと自信につながります。難易度の高い試験はそれからでも遅くありません。

なぜか余裕だと思っていた資格も全く受からない時期がやってきます。
そう言う時は思い切ってチャレンジする資格を変更するのも一つの手です。
需要と将来性を考える
繰り返しになりますが、資格の数は無数にあり、全ての資格にチャレンジするのは現実的ではありません。
そのため、知名度の高い、メジャーな資格取得を目指すようにしましょう。
実務に役に立ちづらい、マイナーな資格は、結果的に評価を受けにくかったりします。
マイナーすぎると応募先の企業の担当者がその資格のことを知らなくて、気まずい沈黙が流れることも。
取得する資格に迷った場合は、求人サイトなどで「この資格を持つ人材を求む」という記載が多い資格を選ぶのもオススメです。
無料で学べる最強の学習リソース

資格は無料で勉強できるとお伝えしてきました。
でも、何をどこでどうやって使えばいいのか、最初は迷ってしまいますよね。
ここでは実際に使える具体的なサイトやツールを紹介します。
国家資格を目指す
IPA(情報処理推進機構)の公式サイトには、過去問題が無料でダウンロードできます。
情報処理技術者試験や情報セキュリティマネジメント試験を目指すならこのサイトはチェック必須です。
過去問をPDFで保存しておけば、スマホでも気軽に閲覧できるので便利ですね。
ITパスポート試験ドットコムや基本情報技術者試験ドットコムでは、過去問を分野別に解ける上に、間違えた問題だけを集中的に復習できる機能が便利です。
解説も丁寧で、初心者でも理解しやすい内容になっています。
クラウド資格を目指す
AWS認定を目指すなら、AWS Skill Builderが最強です。
無料のオンデマンドコースが豊富に用意されており、基礎から学ぶことができます。
その他、無料WEB問題集がいくつかあります。(一部有料)
会員登録をすれば過去に解いた問題の成績表の確認や、過去不正解だった問題だけを出題する機能も提供されています。
Google Cloud認定なら、公式ドキュメントとSkills Boost for Partnersを活用しましょう。
Microsoft Azure認定なら、Microsoft Learn が圧倒的に便利です。
ネットワーク資格を目指す
CCNA取得を目指すなら、CCNAイージスがオススメです。
CCNAの試験範囲を完全にカバーしており、これだけで参考書は不要と言う方もいるようです。
YouTubeの「まさるの勉強部屋」も、CCNA試験対策に完全に特化しており、動画で学習したいならチェックしてみてください。
Ping-tは豊富な問題数が掲載されており、CCNA対策のみで1,00問以上も解くことができ、しかも半分近くは無料で利用できます。
動画学習
YouTube には、予備校レベルと言っていい講義動画がいくつもあります。
「資格名 講座」「資格名 解説」で検索すれば、体系的に学べる動画がきっと見つかるはずです。
再生速度を1.5倍にすれば時短にもなります。通勤中や家事の合間に音声だけ聞く使い方も効果的です。
このように、資格別で見ても無料で学べる環境が整っているのです。
記憶力の衰えをカバーする勉強テクニック

記憶力が低下してきた、とは多くの方が感じることでしょう。
実際40代50代になると、以前より覚えることに苦戦することが増えてきて、ストレスを感じることありますよね。
でもそれは戦略を変えることでカバーすることができます。
反復学習を味方につける
同じ問題を3回解くようにしましょう。
これだけ?と思われるかもしれませんが、実はシンプルで最も効果的な方法です。
例えば
- 回目:30%理解
- 回目:60%理解
- 回目:90%理解
というふうに、徐々に理解力が上がっていくイメージです。
以前なら1回だけで80%は余裕で理解できたのにな、と悔しい思いをするのは分かります。
でも3回繰り返せば最終的には同じゴールに到達しますし、むしろ繰り返した分だけ、長期記憶として定着しやすいです。
資格が取得し終わった瞬間、綺麗さっぱり忘れた、という状況も避けることができますよ。

特にIT系の資格は定期的に更新する必要があるので、
可能な限り長期記憶に定着させた方が先々楽ですよ。
具体例と結びつけて覚える
IT用語は、カタカナ、英語、英語の略称(特に3文字、4文字)が多く、覚えるのに苦労しますよね。
日常生活の具体例、特に自分のお気に入りのものと結びつければ、これらの用語も記憶に残りやすいです。
特に新しい用語を覚えるときは、何か結びつくものはないかな?と探してみてください。
アウトプット重視の学習
読むだけでは記憶に定着しづらいと感じませんか?
実際、資格学習はインプットとアウトプットのバランスが偏ると学習効率が低下してしまいます。
このように、複数の感覚を使うと記憶の定着率が上がりやすくなります。
特に書くことは効果的。
手を動かすことで脳が活性化し、記憶に残りやすくなります。
ただ、書くのって疲れますよね。
書くのが嫌で、ドンドン雑になって記憶に定着しなければ本末転倒です。
私の場合は「これは字を綺麗にする練習も兼ねているんだ」と考えるようにし、一石二鳥の状況を作り出しています。
朝の30分を活用する
朝は記憶力が最も高い時間帯と言うのは、よく聞くお話ですよね。
夜型の方は別として、多くの方にとっては夜に勉強するより、朝30分早く起きて勉強する方が効果的です。
朝、誰にも邪魔されない時間を作ってみましょう。
最初は10分でも15分でも大丈夫です。
この習慣がこれからの人生を変えてくれるかもしれません。
完璧主義を捨てる

まだまだ、理解が足りない、もっと勉強しなくては
そう感じて、完璧を目指してしまう方は多いのではないでしょうか。
でも、正直それでは、中々先に進めむことができません。
ここは思い切って60%や70%理解できたと思ったら、次に進みませんか?
一通り終わった後に同じところに戻ってこれば、結果全体の知識が増えたことにより、理解しやすくなっていることに気づくでしょう。
また、試験も100点である必要はありません。完璧を目指さずことなく、合格点を目指しましょう。
挫折しないための具体的な勉強スケジュール

「毎日勉強する」といざ決めても、
などなど、様々な理由により、結局3日坊主で終わってしまった。
そのような経験をされた方は多いのではないでしょうか。
だからこそ、無理のないスケジュールを最初に組むことが大切です。
3〜4ヶ月で合格するモデルケース
1ヶ月目は基礎固めに集中する期間です。
参考書や動画で全体像を掴み、かける時間は1日1時間、週7時間を目安にすると良いでしょう。
完璧に理解しようとせず、「こんな分野があるんだな、こんな言葉が出てくるんだな」程度で大丈夫です。
YouTubeの講義動画を1.5倍速や、2倍速で流し見するだけでも効果は十分あります。
2ヶ月目からは過去問や練習問題を解き始めます。
最初は30点くらいしか取れないかもしれません。
でも全く気にする必要はありません。
この時期は、間違えた問題の解説を読んで、理解を深めることが何よりも大切です。
ペースは1日5〜10問、週50問ペースを目安にしましょう。
3ヶ月目はいよいよ実践的な学習に入っていきます。
ハンズオンやシミュレーション問題に取り組みます。
クラウド資格なら無料枠で実際に環境構築、ネットワーク資格ならシミュレータで設定練習など。
手を実際に動かすことで、理解が一気に深まり、1、2ヶ月目に学んだことが腹落ちしていきます。
必要に応じて、4ヶ月目は総仕上げの時間をとりましょう。
ここまで学んできた中で、きっと自分の苦手分野がわかっていると思います。
その苦手分野を集中的に復習します。
過去問で正答率60%以下だった分野をリストアップし、そこだけを徹底的にやり直します。
試験1週間前になったら新しいことを覚えず、今まで作ったまとめノートの見返しだけに集中します。
平日と休日の時間配分のモデルケース
平日は朝30分と通勤時間やお昼休みを含めて1〜1.5時間確保します。
朝は新しい知識を学び、通勤時間は過去問演習やアプリでの暗記。
夜はきっと疲れていると思うので、無理せず軽めの復習程度でも十分です。
休日は午前中に2時間は確保したいところです。
土曜日は新しい範囲を学習、日曜日は1週間の復習に充てます。
ずっと勉強を続けていると効率が落ちてしまいますので、午後は完全オフにして、家族との時間や趣味の時間を取りましょう。
このようなスケジュールなら、働きながらでも無理なく続けられます。
最初から高い目標を立てると挫折しやすいです。
「自分のできる範囲で続ける」ことを最優先にしてスケジュールを組んでみてください。
試験本番で実力を発揮するための準備

どれだけ勉強しても、試験本番で力を出せなければ意味がありません。
ここでは、合格率を上げるための実践的なテクニックを紹介します。
試験1ヶ月前からやるべきこと
ここまできたら新しい知識を入れるより、今ある知識を確実に身につける段階になります。
過去問や模擬試験を繰り返し、最低3周は解くようにしましょう。
3周目になっても間違える問題は出てくると思います。
それには「超重要」マークをつけて、試験近くになったらに集中的に見返しましょう。
ただし、苦手分野は「満点を目指さない」のがコツです。
何度繰り返してもどうしても覚えられない分野というものはあるものです。
そのような分野で完璧に理解しようとすると時間がかかりすぎてしまいます。
「よく出る問題パターンだけは解けるようにする」という割り切りも時には必要です。
試験前日と当日の過ごし方
前日は無理をせず、早めに寝て体調を整えることを優先しましょう。
徹夜で詰め込んだとしても、翌日の集中力が落ちては逆効果です。
私たちの世代に「一夜漬け」は非効率です。しっかりと睡眠を取るようにしましょう。
当日の朝は、焦るかもしれませんが、軽く復習する程度で十分です。
新しいことを覚えようとすると混乱してしまいますので、「今まで勉強したことの確認」だけにとどめるようにしましょう。
いざ試験会場に向かう段階になったら、指定がない限り30分前頃到着を目指しましょう。
早すぎるとドンドン緊張してきますし、ギリギリだと焦ってしまいます。
会場の雰囲気に慣れる時間を取るのも大切です。
そして試験が始まったら、1問1問じっくり取り組むのではなく、「分からない問題は飛ばす」戦法がオススメです。
試験時間は限られています。
分からない問題に時間をかけてしまっては、分かっている問題にたどり着くまでに時間切れになってしまうかもしれません。泣くに泣けないですよね。
最初から完璧に解こうとせず、時間配分を意識し、時間切れのリスクを減らしましょう。
勉強を続けるための環境づくり

40代50代の生活は時間との戦いですよね。
だからこそ、勉強を続けられる環境を意識的に作ることが必要になります。
家の中での時間活用術
家族がいる場合は、家族の協力が不可欠です。
でも、「資格を取りたい」と一方的に宣言するだけでは、家族の協力は得られないかもしれません。
まずは
を具体的に説明しましょう。
これらを数字で示すと理解されやすくなります。
また、勉強時間を確保するためには、家事の効率化も必要になります。
完璧な家事を手放すことで、家の中での勉強時間を捻出するようにしましょう。
職場での時間活用術
身動きが取れない程の満員電車でなければ、通勤時間を勉強時間に充てましょう。
大きい参考書を開くことが難しくても、
- スマホで過去問を解く
- 講義動画を観る
勉強方法は色々とあります。
1回は短い時間時間だったとしても、毎日続ければかなりの勉強時間を確保できるでしょう。
また、昼休みの15分も活用しましょう。
職場環境にもよるかもしれませんが、食事を済ませた後、コーヒーを飲みながら
短い時間でもできることは無数にあります。
40代で勉強が続かない…疲れてできない日々を変える学習習慣のコツ
よくある失敗パターンとその対策

多くの人が挫折するポイントは実は共通しています。
挫折ポイントを事前に確認し、同じ失敗を避けられるようにしましょう。
失敗パターン1:最初から完璧を目指す
参考書の1ページ目から完璧に理解しようとして、いつまでも先に進めない。
多くの方が経験しているのではないでしょうか?

最初の数ページだけ異様に詳しい、みたいな。
後半まで気力が続かないんですよね
対策は「60%理解したら次へ」さっさと進んじゃいましょう!
後で過去問を解きながら理解を深める方がずっと効率的ですよ。
失敗パターン2:計画を立てすぎる
など、自身のライフスタイルでは高すぎる目標を立て、結局達成できずに挫折してしまう、なんて事ありませんか?
これに対する対策は「毎日30分だけ」という最低ラインを設定することです。
それ以上できたらボーナスと考え、自分を褒めてあげましょう。
失敗パターン3:教材を買いすぎる
次から次へと手を広げすぎて、結局どれも中途半端、いわゆる積読状態。
対策は教材を最大でも3つ程度に絞ることです。
まずは、自分で選んだ教材に集中するようにしましょう。
失敗パターン4:孤独に戦う
一人で黙々と勉強するのが苦手な方は、モチベーションがどうしても続かないことありますよね。
そんな方に向けての対策はSNSで仲間を作ること。
進捗を報告し合うだけで、継続率が格段に上がります。
失敗パターン5:試験日を決めない
「完璧に理解してから受験しよう」と先延ばしにして、気づいたら一年が経っていた、そんな状況は避けたいですよね。
怖いと思う気持ちは分かります。でも、時には思い切りも大切です。
最初に思い切って試験日を決めて申し込んでしまいましょう。
試験日から逆算してスケジュールを立てると、締切効果もあって挫折しにくくなりますよ。
今日から始める第一歩

ここまで読んで「資格取得、チャレンジしてみようかな」と思えたでしょうか?
「今はまだいっかな」そう思った方もいらっしゃるかもしれません。それは今がそのタイミングではないのでしょう。
でも、もしやってみようと思ったのなら、是非今日から行動を起こしてみてください。
今すぐやるべき3つのこと
1つ目、目指したい資格を1つ決める。
クラウドならAWS認定かGoogle Cloud認定、ネットワークならCCNA、国家資格なら基本情報技術者試験。迷ったら、求人サイトで需要が高そうなものを選びましょう。
2つ目、その資格の無料教材を探す。
公式サイト、YouTube、無料問題集サイト。
この記事で紹介した教材でも、ご自身で見つけた別の教材でも大丈夫です。
まずは、その教材にアクセスして、1つでいいので動画を見たり、問題を解いたりしてみてください。
3つ目、SNSで同じ目標を持つ仲間を見つける。
先を走る先輩でもいいですね。
無理をしてコミュニケーションをとる必要はありません。
頑張っている仲間の発信を見ると、モチベーションアップに繋がります。
人生100年時代の折り返し地点
人生100年時代。40代50代は折り返し地点です。この先まだ20年、30年と働き続けられる時代です。
今から新しいスキルを身につければ、残りの人生が確実に変わっていくはずです。
今日から始めれば、この先の近い将来、「あのとき始めて本当によかった」と思える日がきっと来ます。
今日、この瞬間から、始めてみませんか?


