
QuickSightがAmazon Quickになったのと聞いたけど、何が変わったの?

使えるAIが増えたって聞いたけど、どう便利になったの?
先に結論から言うと、Amazon QuickになってからAIの種類が2つに増えました。
もともとあったBI・ダッシュボード系のAI(Quick Sight)に加え、2025年10月からAIエージェント系の新機能4つが追加されています。
この記事では、この2種類のAIの違いと、新たに加わった4機能の役割をひとつずつ整理したいと思います。
Amazon Quickに存在する2種類のAI BIのAIとエージェントのAIは別物
まず「2種類のAI」という話から整理していきましょう。
| 種類 | コンポーネント名 | やること |
|---|---|---|
| BI・データ分析のAI | Quick Sight | データを可視化・集計してダッシュボードを作る(旧QuickSightの機能) |
| AIエージェント系 | Quick Research / Quick Flows / Quick Automate / Quick Index | 調査・自動化・知識管理などを自律的にこなすエージェント機能 |
Quick Sightは旧来のQuickSightそのものです。
Excelの代わりにクラウドでグラフを作り、経営層や営業チームが数字を確認するためのダッシュボードツールです。
SQLクエリの結果をビジュアルで見せたり、SPICEというインメモリエンジンで大量データを高速表示したりする機能は変わっていません。
一方、2025年10月に追加された4つのAIエージェント機能はまったく性格が異なります。
「ダッシュボードを見る」ではなく「AIが調べて・自動化して・答えを出す」という方向性です。
Quick Research 複雑な調査をAIが代わりに実行する
Quick Researchは、自然言語で質問すると社内データと外部情報を横断調査して、引用付きのレポートを生成してくれる機能です。
たとえば
と入力すると、AIが調査計画を自動で立て、社内データベース・ドキュメント・外部情報源を組み合わせて包括的なレポートを作成してくれます。
「数時間かかっていた情報収集が数分で完了する」というのが売りです。
ポイントは引用が付くことです。
生成AIの課題のひとつは「どこから来た情報かわからない」という点ですよね。
その点、Quick Researchは参照したデータソースが明記されるため、ビジネス用途での信頼性が一気に上がります。
また、ユーザーは調査計画を自然言語で調整することもできます。
といった指示に応じて計画を修正し、より精度の高い分析結果を出してくれます。
主な用途は
などでしょうか。
Quick Index 社内の情報をひとつの検索窓でまとめて探せる知識ベース
Quick Indexは、社内に散在するドキュメント・データベース・メール・ファイルを一元化して、横断的に検索できる知識ベースです。
こういった社内情報の探索が、Quick Indexを通じてひとつの検索窓から行うことができます。
アップロードしたファイルは自動でインデックス化されるため、更新のたびに再登録する手間もありません。
Quick Indexの価値が最も出るのは、Quick Researchと組み合わせたときです。
Quick Researchが調査を行う際の「社内情報のソース」としてQuick Indexが機能するため、社内固有のデータ(過去の契約情報・社内ナレッジ・プロジェクト資料)を含めた分析ができるようになります。
Slack・SharePoint・S3などの外部ストレージとの接続も可能で、既存の情報資産をそのままインデックス化してくれます。
Quick Flows 技術知識がなくても反復作業を自動化できる
Quick Flowsは、プログラミングの知識がないビジネスユーザーでも、繰り返し発生する定型作業を自動化できる機能です。
ワークフローは3つのステップで構成されます。
- 入力ステップ
処理に必要な情報をどこから受け取るかを設定します(フォーム入力、メール、データベースなど)。 - 推論グループ
入力された情報に対してAIが何をするかを定義します(要約・分類・判定・文章生成など)。 - 出力ステップ
処理結果をどこに渡すかを設定します(メール送信・Slack通知・ドキュメント生成など)。
作成したフローはワンクリックで同僚やチームに共有可能です。
ユースケースとしては
といったものでしょうか。
Quick Flowsが対象にするのは、「決まった手順で繰り返す作業」です。
複雑な判断や複数部署にまたがる承認プロセスが必要な場合は、次のQuick Automateの領域になります。
Quick Automate 複数部署にまたがる複雑な業務プロセスをエンタープライズ規模で自動化
Quick Automateは、企業規模の複雑な業務プロセスを自動化するエンタープライズ向けの機能です。
Quick Flowsが「個人・チームの繰り返し作業」を対象にするのに対して、Quick Automateは「組織をまたぐ複雑なプロセス」を対象にします。
代表的な用途は
などです。
これらに共通するのは「複数の担当者・部署が関わり、承認や確認が複数回発生する」という点ですね。
以下にQuick Automateの特徴的な機能を3つ紹介します。
UI Agent:Webサイトの操作を自然言語で指示できる
AIがブラウザを操作して外部のWebサービスやアプリと連携できます。
という指示を自然言語で与えると、実際にブラウザ上で操作が実行されます。
これは、APIが用意されていない外部サービスとの連携に活用できそうですね。
Human-in-the-Loop:特定のステップで人間の確認・承認を挟む
自動化の途中で「このステップだけ人間が確認してから次に進む」という設定が可能です。
いわゆる承認ステップですね。
金額が大きい発注や法的な確認が必要な場面など、完全に自動化するとリスクが高いステップは、やはり人間の目を通したいですよね。
この機能を利用することで、自動化の利便性と安全性の両立が可能です。
監査証跡・コンプライアンス対応
が標準で備わっています。
「いつ・誰が・何を承認したか」が記録に残るため、金融・医療・官公庁などコンプライアンス要件が厳しい業種の場合でも、選択肢の一つになりそうです。
4機能の使い分け 何をしたいかで選ぶ
4つの機能を「何をしたいか」の軸で整理してみましょう。
| やりたいこと | 使う機能 |
|---|---|
| 大量の情報を横断調査して報告書を作りたい | Quick Research |
| 社内の資料・データを横断検索したい | Quick Index |
| 毎日の繰り返し作業を自動化したい | Quick Flows |
| 複数部署をまたぐ複雑なプロセスを自動化したい | Quick Automate |
| データをグラフにして経営層に見せたい | Quick Sight(旧QuickSight) |
実際の業務ではこれらを組み合わせて使うことになるでしょう。
たとえば
「Quick Indexで社内情報を整備→Quick Researchで競合分析→Quick Flowsで定期レポートを自動生成→Quick Sightでダッシュボードに表示」
という一連の流れで使えそうです。
既存のQuickSightユーザーへの影響 使い方は変わらないが画面が変わる
すでにAmazon QuickSight(旧名)を使っている方に向けて変更箇所をまとめてみます。
Amazon QuickがBIツールを超えた理由 データの「見る」から「動かす」へ
旧QuickSightはデータを「見る」ツールでした。
ダッシュボードでデータを確認し、分析し、意思決定につなげる――という流れは人間が担う領域でした。
Amazon QuickはこれをAIエージェントに任せることを目指しています。
「データを見て判断する」から「AIが調べ・判断し・動かす」という方向への進化です。
まだ発展途上の機能もありますが、「QuickSightはBIツール」という認識を更新する必要があるかもしれません。
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